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設備・技術紹介

EQUIPMENT

設備紹介

DXガス雰囲気での連続焼鈍炉やH2ガス雰囲気及び真空雰囲気でのバッチ炉など
わが社自慢の設備を紹介します。

3号連続炉

令和5年8月導入のEV部品に向けた最新設備
最新のSMTヒーターで炉内温度の安定化。
水素流量をマスターコントローラで制御。

1号連続炉

パソコンのHDDの部品などを熱処理する炉を熱処理する炉

2号連続炉

自動車や家電部品をメインに熱処理する炉

真空炉(バッチ式)

真空の雰囲気でバネ材などを低温処理する炉

洗浄機(アブゾール)

臭素系溶剤にて脱脂を行います

計測設備

ビッカース硬度計

ダイヤモンド圧子を製品に加圧し、
その硬度を測定します(加重1㎏~50㎏)

マイクロビッカース硬度計

加重50g~1㎏の測定可能

保磁力測定器

製品の保磁力を測定し、部品としての
性能をみる機器

TECHNIQUE

技術紹介

わが社が携わる小さな部品群。
磁気特性が向上することで、快適空間を創造し、支える担い手となるのです。

自動車リレー部品

パソコンのHDD関連部品

銅を用いた圧着端子

SUSバネ硬化処理

磁気焼鈍の説明

各種の電気機器に使⽤される磁性材料は硬質磁性材料(永久磁⽯)と軟質磁性材料に区別され、軟質磁性材料は主として、リレー(継電機)の鉄芯・鉄枠・鉄⽚等に⽤いられます。磁性材料の性能を表すのに磁束密度・残留磁気・保磁⼒などという術語を使いますが、簡単に説明しますと(図1参照)鉄芯の周囲に巻いた電線に電流 を流し鉄粉をふりかけると図のように鉄粉が規則正しく輪状に整列します。そして、コイルに流す電流を次第に増加すると、鉄粉の並び条数も変化します。すなわち、コイルに電流を流すと鉄芯が磁化されて磁束を⽣じたことがわかります。

単位⾯積あたりの磁束数を磁束密度(B)[単位:ガウス]といいます。
電流の⼤きさ×巻数は磁場の強さ(H)[単位:エルステッド]を表します。


図1 電磁石の原理

磁性材料の性質を表すのに磁化曲線(⼀般にB-Hカーブと呼ばれる)が⽤いられます。
図2は横軸に磁場の強さH(エルステッド)縦軸に磁束密度 B(ガウス)を表したもので、磁場の強さHを0から次第に増やしていくと、磁束密度Bは0Aのように変化し、A点に達して、それ以上 Hを増してもBが増えない飽和値Bsを得ます。
このBsを最⼤磁束密度と⾔います。次にHを減らして⾏くとBはACのように変化します。Hが0になってもBの値はBrを⽰しこれを残留磁気といいます。

μ0:初透磁率
μmax:最大透磁率
Bs:最大磁束密度
Br:残留磁束密度
Hc:保磁力
図2 磁化曲線とヒステリシス曲線

またBが0になる位置のHcを保磁⼒と呼びます。
さらに反対⽅向にHを増すとCDとなりD点に達します。
D点でHを反転すると、DEFAと変化し、横軸の上下に対照的な閉曲線(ヒステリシス曲線)を描きます。
この曲線の形と⾯積はその磁性材料特有のものとなります。
なお曲線の傾斜は透磁率と呼び磁化されやすさを表します。
リレーとして⽤いる磁性材料(軟質磁性材料)1.透磁率が⾼い 2.保磁⼒が⼩さいことが必要で保磁⼒が⼤きいと永久磁⽯になりやすいため誤動作の原因となります。
成形加⼯されたリレー部品の磁気焼鈍は、⽔素や窒素ガスあるいは無酸化脱炭性雰囲気にて、適当な温度と時間を与えて焼鈍することにより、結晶粒が粗⼤化し内部歪も除去されて磁気性能が改善されるとともに(図3参照)表⾯を酸化させないためめっき等の後処理の作業を容易にすることができます。


図3 磁気焼鈍によるとヒステリシス曲線の変化